「広告主、代理店、媒体を渡り歩き会得したマイツール」島田拓(援軍/元ライザップ)のマーケツール
デジタルマーケティングの最前線で戦う実務者が日々どのようなツールを使いこなしているのか?実務者のツールの活用の現場に迫ります。第2回は、2018年にGoogle出身者によって設立されたデジタルマーケティング コンサルティングを提供する株式会社援軍の執行役員 島田 拓さんにお話を伺います。
第1回の小高明さんが運用者として高く評価しており、株式会社援軍の2人目の社員として迎えられた方です。
プロフィール
島田拓 / Taku Shimada

- 2009〜2012年:Googleで広告運用コンサルティング
- 2012〜2017年:ライザップでデジタルマーケティング運用
- 2018年〜:Google時代の同僚の起業に執行役員として参画
「広告プラットフォーム、大手広告主、広告代理店」のそれぞれの立場を幅広く経験し、現在も現場の最前線に立つ、広い視野・知見を持ったデジタルマーケの実務者。
デジタルマーケティングへの関わり方
これまで扱った商材や予算規模
通販、ヘルスケア、旅行をはじめとして幅広い業界で運用をしてきました。予算規模も数万円〜数千万円/月と幅広く扱ってきました。
担当しているチャネル、媒体
基本はデジタル広告のみで広告媒体としては、GoogleとYahooとFacebookの3つをメインで活用しています。
実務的な立ち位置
主に広告主としていろいろなツールを活用してきました。直近では広告代理店としてもツールを活用しています。
ツールの利用状況
利用している or したことのあるツールの種類
- タグマネージャー
- アクセス解析
- 広告効果計測
- データ分析、レポート
- ヒートマップ
- ABテスト
- ウェブ接客
- カート最適化
タグマネージャー

広告運用するにしてもどうしても管理するタグは複数で煩雑になるのでなるべくタグマネージャーはいれるようにしています。ツールとしては、GTM(Google タグマネージャー) がほぼ全てですね。現在ですと、1クライアントのみYTM(Yahoo!タグマネージャー)を使っていますが、広告においては Googleとの相性が非常に重要になるのでGTMを採用しています。GTMは、汎用性も高いので良いです。
昔は、YTMは繋ぎこめる広告媒体が多いと言われていたので使ってみたこともありましたが、結局GTMに統一する方がわかりやすいですし、問題になることはほとんどありません。
※GTM、YTMは無料。YTMはYahooの広告を利用している広告主限定
アクセス解析ツール

GA(Google Analytics)しか使っていません。GAは広告運用実務で結構使います。
- 広告では見れないサイト上での行動は?
- ユーザーが何を知りたがっているのか?
- サイトのどこで興味を失っているのか?
などを把握するためにGoogle Analytics を使います。通常ウェブサイトでコンバージョンが発生する場合、広告に接触していないコンバージョンも多数ありますし、広告に接触していてもSEOなどの他のチャネルと重複して接触しているケースは非常に多いです。それを前提にすると広告媒体のコンバージョンデータだけでは片手落ちになってしまうので、なるべく Google Analytics で成果を確認するようにしています。
広告効果計測ツール

自分が広告主だったときは直接は使っていなかったですが、現在の代理店/コンサルの立場ではクライアントの希望次第で利用しています。広告効果計測ツールを入れる業種は現在は ECのみですが、ユーザーレベルの購買データに基づいた分析をする用途で利用しています。ツールとしては、アドエビスが多いです。
ただ、個人的には Google Analytics が集客の全チャネルをカバーしているのに対して、アドエビスなどに代表される広告効果計測ツールは基本広告しかデータが見えないため、集客効果の最大化を考えると Google Analytics が良いと考えています。それでも、一部で利用されているのは
- 間接効果の見やすさ
- 購買データとの紐づけのしやすさ
- 広告審査回避のための、LPOの機能
などが評価されているのではないかと思います。1と2はGoogle Analytics でもできるのですが、どうしても Google Analytics だと機能が複雑で同じことをやろうとしても有料の広告効果計測ツールよりも分かりにくいというのはあると思います。最後の3は、アドエビスに付随しているLPOとしての機能ですね。
※LPO機能は後述ABテスト参照
レポーティング/分析ツール

データは広告媒体や Google Analytics にほぼ入っているのですが、そのままだと結構使いにくいので、Google データポータル(旧Google データスタジオ)にデータを連携させてレポート用のダッシュボードにしていつも利用しています。よく自分は、「中央管理ツール」と表現しているのですが、Googleデータポータルで関係者全員の認識合わせに使います。
レポーティングツールでは データポータルの他にも Datadeck というサービスを以前良く使っていました。ただ、複数のデータ同士を結合できなかったり、見た目のテンプレートが広告の現場で必要なものにどうしてもできず現在は利用していません。レポーティングとしては Google データポータル一択ですね。
一方で、データ分析という意味ですと、以前 Tableau(タブロー) をたまに使っていました。自由度が非常に高く何でもできます。ただ、基本的には分析屋向けのツールなので、広告の実務者としてはあまり必要になるシーンはないですね。
ヒートマップツール

Google Analytics でも見れない、ページ内の動きを分析するために導入しています。メインで使っているのは、Ptengine です。検索キーワードなどのセグメントを切ってヒートマップを確認できるので、非常に使いやすいです。料金は無料もありますが、制限があってテスト的にしか使えません。通常は、2万〜5万くらいのイメージですね。
その他有料のヒートマップツールとしては、Mouseflow は比較的料金が安くて良かったです。ユーザーのカーソルの動きをビデオ化してくれるのですが、あれはすごいです。フォームに打ち込んでいる文字まで表示されていたので、個人情報として管理は気を付けたほうが良いです。他にも、USERDIVE とかを使っていました。
また、無料で良いのは User Heat です。シンプルで使いやすいため、ヒートマップをお試しでどういうものか使って ヒートマップツールの感覚を持ってもらうために使ったりしています。
お金があるなら、User Heat を試して、うまく活用できそうであれば Ptengine に切り替える というのがオススメですね。こんな風に言うと User Heat が踏み台みたいで怒られるかもしれませんが。笑

ABテストツール

ABテストツールを利用するかどうかはケースバイケースで、LPの検証が必要になれば利用します。具体的なツールとしては、Google optimize(オプティマイズ) が無料で機能的にも十分なのでこれ一択ですね。操作も慣れれば難しくありません。
一応その他ですと、LPOエビス や DLPO を利用したことがあります。広告で入稿しているURLが変更になると、広告の審査が通常は入るのですが、LPOエビスを利用すると入稿しているURL自体は変えずに、最終の着地先のLPをABテストとして変更できるため、結果的に審査を回避できます。これをABテスト用途で使ることももちろんありますが、審査回避のために使っているケースも良く聞きます。笑(現在ではGoogle広告などでは利用不可)
DLPO は、テストはちゃんとできて成果にもつながったので良かったのですが、結構高かったので、今は無料の Google optimize があるため残念ながら使っていません。
実務者としてのツールとの向き合い方
デジタルマーケティングは数字が肝ですので、「そこにいけば数字が見える」という環境をまず作ることが大事です。
これは、広告主も代理店も同じです。その意味では、色々なツールを活用することが現場では必要とされますが、もっとも大事なのは ダッシュボードとしての Google データポータル を使いこなし、ダッシュボードから見えるデータを起点にどういうツールが必要なのかを考えていく姿勢ではないでしょうか。


